鏝絵とは

鏝絵(こてえ)とは?
○鏝絵とは・・・
鏝絵とは、左官職人が壁を塗る鏝で民家や土蔵の壁面に絵を描いたもの。壁面に漆喰を盛り上げて模様を作り、多くはそれに色彩を施してある。漆喰は、消石灰に糊の煮汁と、すさ(食物の繊維をほぐしたもの)を混ぜ、練り合わせて作る。
「鏝絵」という名称は比較的新しく、昔は漆喰細工、鏝細工、壁絵、泥絵などと呼ばれていた。また、鏝絵には幸せを祈り、魔を除けるという人々の願いが込められている。

○鏝絵の絵柄に込められた想い・・・
鏝絵の絵柄には、それぞれ人々の祈りや願いが込められている。例えば、「鯉の滝登り」は”立身出世”、「龍」は水の神様といわれ、”火事除け”、七福神の中で鏝絵の絵柄として人気がある「恵比寿」や「大黒」は”福をもたらす などの願いがそれぞれ込められている。神社やお寺に飾れている鏝絵の絵柄を考えながら見るのも面白いかもしれない。
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          「龍」の鏝絵は火事除けのシンボル!

○島根県の鏝絵・・・
現代の鏝絵職人、鏝なみはいけんを作成された渡部孝幸さんのこれまでの調査では島根県内で300点を超える作品が確認されている。東西に長い島根県において、鏝絵の分布には大きな偏りが見られる。圧倒的に西の石見地方に多く、東の出雲地方には全体の1割程度にしか満たない。出雲地方の絵柄のほとんどは「金袋」で、そのほとんどが山側の雲南市、奥出雲町にあり、都心の出雲市、松江市の方にはほとんど見当たらない。石見地方では出雲地域の人に比べて出稼ぎが多く、他の地域に散らばっていった。しかし、出雲地方の人々とは気質や地域的な習慣の違いにより、松江に行く人よりも鳥取に行く人が多かったことが鏝絵の少なさにつながっていると考えられる。